私は、押し入れから革ジャンを取り出し、息子に渡した。

「な…、なんでこんなの持っているんだよ」

そこで、私は息子と夜遅くまで話すことになってしまった。

オートバイに乗っていたこと。

中島のこと。

「この革ジャンは、押し入れにしまってあるより、現役のバイク乗りに来てもらった方がいい」

息子の、ウン、と言った言葉に力が入っていた。

「大切に使わせてもらうよ。ありがとう。…、親父は反対しない? バイク」

「しないさ。オートバイに乗っていた俺が、反対できるわけがないだろう」

「親父…、」

「うん?」

「俺は、死なないよ」

「当たり前だ」

私は、そう言って、息子を小突いた。

画像: illustration © 2018 Kiichi Watanabe

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