男は、その平べったい町から逃げるように

オートバイで飛び出した。

この町が嫌いになったわけではない。

住み慣れた自分の町だ。

愛着もあるし、どちらかと言えば好きなのだろう。

山も海も近いし、きれいな川も流れている。

都会ではないが、交通の便もいいし、

買い物も十分満足できる便利な町だ。

住めば都、という言葉もある。

しかし、彼は時々この町にいると息が詰まりそうになる。

この街での生活、いつもの変わらない日常に苦しくなるのだ。

深呼吸のできる場所へ、

日常から脱出して息抜きするために、

彼は国道をオートバイでひた走る。

画像: illustration © 2018 Kiichi Watanabe

illustration © 2018 Kiichi Watanabe

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